簡易静電気メーター
2023/02/23 |
記事のソース

- 2023/2/13 : SMD版回路図の VR1 と VR2 の定数が逆だったのを修正しました。
概要
静電気の極性とレベルを正負それぞれ5段階で表示できる簡易式の「静電気メーター」を作りました。
秋月にあるディスクリート部品だけで作ることができ、静電気の実験や教育に使うことができます。
動作の様子
ウィムズハースト起電機の近くに置いて動かした様子です。
回路
スルーホール版と表面実装版をそれぞれ作ってみました。動作原理はどちらも同じです。
- アンテナが帯電することで MOS-FET のゲートに電荷が流入し、ドレイン-ソース間が導通する。
- 直列接続されたダイオードの順方向電圧降下により、耐電のレベルに応じた数だけトランジスタがオンになり、LED が光る。
重要なのは MOS-FET の選定で、ゲート漏れ電流が十分小さく、ゲートON電圧などの特性が近いペアを使用する必要があります。漏れ電流が大きいものを使用すると表示が不安定になったり、感度が弱くなったりします。
スルーホール版

SMD版

作例
左側のスルーホール版は、アルミパイプを熱収縮チューブで覆って先端にキャップをしたものをアンテナにしています。
右側の SMD 版は裸の銅板をアンテナにしていますが、安全のためにはもっと丸みを帯びた形状の導体を使用し、放電が直接当たらないように表面を絶縁すべきです。

使い方
調整
- リセットスイッチを押したまま以下の操作を行います。
- VR1 (Sensitivity) のボリュームを回して感度を最大にします。
- VR2 (Balance) のボリュームを回して正負のバランスを合わせます。
- プラスマイナス両方の LED が消えるか消えないかくらいまで感度を下げます。
- リセットスイッチを離します。
測定
帯電した物体にアンテナを近づけます。
帯電した物体にアンテナを直接当てないでください。MOS-FET が壊れる可能性があります。
PCB 版
プリント基板化したものを BOOTH で販売し、多くの方に購入頂きました。
shapoco/staticmeter: Electrostatic Level Meter